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ヴァイキングとイングランド|ドラマのような激動の200年を分かりやすく解説【海外ドラマから学ぶ世界史】

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Hi !!

Netflixドラマ大好きブロガーのぱーぷるです。

この記事は月一で更新中の雑談企画”ぱーぷるの余談”。

普段のNetflixドラマ関連記事とは違った趣向の内容について書いていきます。

で、今回取り上げるのは”ヴァイキング ”について。

ドラマやゲームなどでもその名前はよく出てくるので、その単語に聞き覚えはあるかと思います。

でも、実際に彼らが一体、どう言う存在だったのかを知っている方は意外と少ないと思います。

私もその1人でここ数週間は彼らについて色々と調べてました。

そしたら、まあ面白いんですよ!

特に、イングランドとの関係がとても興味深いんですよね。

なので、この記事ではヴァイキングについてと彼らとインランドとの関係について、私が調べた内容をシェアしようと思います。

全く知識の無い方でも分かるように努力しましたので、多くの方にヴァイキングについて知ってもらえたら光栄です。

 

これから書くことは当然ながらヴァイキングを題材にしたドラマのネタバレになる内容なので、全く知りたくない方は読まない方がいいかと思います。

ただ、ここで触れるのは日本の戦国時代において”信長が天下に手をかけるが暗殺されて、その後に秀吉が一度は統一するが、最終的に家康が統一して江戸幕府をひらく”くらいのおおまかな流れだけなので全くネタバレを気にする必要はないかと思います。

むしろ個人的にはこれを読んでからの方がより楽しめると思ってます。

 

と、前置きがだいぶ長くなりましたが早速いきましょうか。

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ヴァイキングとは

この記事を訪れた方で海外ドラマ「ヴァイキング〜海の覇者たち〜」やNetflixドラマ「ラスト・キングダム」といった作品を見てなくて全く知識のない方のために、まず簡単にヴァイキングとはなんぞやということを解説しておきます。

 

ヴァイキングとは中世初期に今のノルウェーやデンマーク辺りに住んでいた略奪や商業交易を行なったことで知られる民族の俗称。

そんな彼らは8世紀から10世紀頃にかけて大規模な民族移動を行います。

今のフランスやイタリアなどのある南、ロシアのある東、そしてイギリスがある西へと移動していき、それぞれで王国を築いたりしていきます。

で、海外ドラマなどでよく取り上げられるのがイギリスへと侵攻していったヴァイキングで、これから詳しく解説していくのはその部分になります。

ヴァイキングとイングランドの歴史

では早速、本題へと入っていきますがその前に、この部分ではいくつか歴史用語が出てきます。

それらはここでは解説せず、用語集のセクションでまとめて解説しますので分からない用語が出てきたら用語集を確認ください。

イングランドの発見: 8世紀末期

ヴァイキングとイギリスの歴史の始まりは8世紀末期。

スカディナヴィア半島で暮らしていたデーン人は海を渡りイングランドを発見します。

この部分が海外ドラマ「ヴァイキング〜海の覇者たち〜」の物語の始まりになります。

初めの頃は海辺にある防御の薄いキリスト教の修道院を襲って略奪を行うだけだったが、次第にイングランド本土に乗り込み侵略するようになります。

ヴァイキングの侵略: 9世紀中期まで

強力な武力を誇るヴァイキングは北から南に降りる形で侵略していきます。

この当時イングランドには4つの国(ノーサンブリア、イースト・アングリア、マーシア、ウェセックス)があって、彼らはその中のノーサンブリアとイースト・アングリアを瞬く間に滅ぼします。

そしてヴァイキングはウィセックスへの侵攻を開始します。

これくらいの時期から話が始まるのがNetflixドラマ「ラスト・キングダム」ですね。

イングランド(ウェセックス)の反撃: 9世紀後半

勢いそのままウェセックスに乗り込んだヴァイキングは序盤は戦いを優位に進めて領土の大半を征服します。

そんな中、ウェセックスではアルフレッドが国王に即位。

彼は国の各地に砦を築いたりマーシアと同盟を結んだりして、力を蓄えながら虎視淡々と反撃の時を待って878年の戦いで大勝します。

 

これを機に形成逆転したウィセックスはヴァイキングをイングランド北部へと追いやることに成功します。

そしてこの過程でマーシアは滅亡し、イングランドにはウェセックスのみが残る形になりました。

イングランド統一: 10世紀前半〜中期

アルフレッド王の力でイングランドの大半を手に入れたウィセックスは10世紀に彼の孫が”イングランド王”となり事実上統一を果たします。

そして10世紀中期にエドガー王が即位すると彼は”載冠式”を行い、名実ともにイングランド統一を果たします。

ヴァイキング(デーン人)の再来: 10世紀末期

エドガー王が”載冠式”を行なった2年後に亡くなると、後継争いが起こります。

その間に、現代のデンマークに拠点(デンマーク王国)を置いていたデーン人が再び侵略してきます。

それに対してイングランドは賠償金で解決しようとするが襲撃は収まらず、手をこまねいていた中、その当時のイングランド王、エゼルット2世はほぼ独断でデーン人虐殺を行なってしまいます。

そのことに怒ったデーン人はイングランドに本格的に攻め込み、当時最大の都市だったオックスフォードを焼き払います。

デーン朝の誕生と滅亡: 11世紀前半

デーン人の侵略を受けてエゼルット2世はノルマンディー公国へと亡命。

空いたイングランド王の椅子にデンマーク王国のスヴェン王が即位します。

その後、一度はエゼルット2世が国を取り返したりしますが、最終的には1016年にスヴェンの息子クヌート1世がイングランド全域を手に入れ、デーン人による王朝、デーン朝が誕生します。

 

しかし、1035年にクヌート1世が死去するとデーン朝は力を弱めて1042年に滅亡します。

そして王位はサクソン人のエドワードへ戻ります。

ノルマン朝の誕生: 11世紀中期

エドワード王は1066年に後継がいないまま亡くなり、空いた王位にウェセックスの有力貴族ハロルドが王位に就きます。

彼の即位をよしとしなかったノルウェー朝(デーン人)のハーラル3世は軍を率いてイングランドに侵略。

それに立ち向かったハロルドは勝利。

これにより8世紀末期から続いたヴァイキング (デーン人)の侵略は終わりました。

 

しかし、息をつく間もなく今度はノルマンディー公国(ノルマン人)がイングランド南部に軍隊を率いて上陸。

それにハロルドは挑むが敗北し、その戦いで戦死します。

勢いを得たノルマン人はそのままロンドンまで制圧し、1066年12月25日ノルマンディー公のギョームは戴冠式を行い、ウィリアム1世としてイングランド王に即位。

ノルマン朝が誕生します。

これ以降、サクソン人による王は誕生しません。

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宗教の違いについて

ヴァイキングは北欧神話を崇拝していました。

北欧神話というとオーディンやトールといったゲームをよくプレイする人なら聞き馴染みのある”神々”が登場するギリシャ神話お話のこと。

ちなみにゼウスやアルテミスといった神々が登場するギリシャ神話とはまた違うものなのでご注意を。

北欧神話についてはそこまで詳しくないのでここでは深くは触れませんが、近々調べてみたいなとは思っています。

 

一方でサクソン人やアングロ人など、この当時イングランドにいた人たちはキリスト教を信仰しています。

で、キリスト教はというとイエス・キリストという”救い主”を信じる宗教。

こちらは皆さんもある程度は知識があるものかと思います。

 

この2つの宗教の決定的な違いは多神教であるか一神教であるか、です。

宗教的な争いも面白い部分で、それらは海外ドラマで丁寧に描かれているので、気になる方は観てみてください。

私が思うヴァイキング の魅力

私は昔から中国の三国時代や日本の戦国時代が好きで、本とかよく読んでました。

そのため、このヴァイキング とイングランドの抗争も調べれば調べるほど面白さを感じてたんですが、その魅力は三国時代などとはまた違ったものでした。

 

まず、ヴァイキング とサクソン人の争いは異人種の争いであるということ。

三国志や日本の戦国時代はあくまで同人種の争いであるため、戦略と単純な力比べ的な面があるんですが、ヴァイキング の争いは人種が違うので言語も違えば宗教も違って、力だけでなく文化的な面でも争いがあるところが魅力的に感じますね。

 

さらにヴァイキングの抗争の大きな違いは”戦いの面白さ”か”対局的な面白さ”かということです。

三国時代なら赤壁の戦い、黄巾の乱、街亭の戦いなど、戦国時代だと川中島の戦いや桶狭間の戦い、長篠の戦いなどなど戦い1個、1個にインパクトがあって魅力がありますが、ヴァイキング の争いはそういう有名な合戦はほとんどありません。(878年の戦いくらい)

ですが、ヴァイキング とサクソン人の争いは誰かが脚本でも書いたのかって思っちゃうくらい攻防がドラマチックなんですよ。

個人的に好きなのは878年の戦いの逆転劇と1066年の一連の出来事ですね。

1066年なんて「ゲーム・オブ・スローンズ」の最終シーズンを観ているみたいでしたよ(笑)

 

あと、この争いはとにかく長い!

三国時代は約100年、戦国時代は約150年と一世代から二世代で終結するんですが、ヴァイキング の争いは200年以上も続きました。

当時の平均寿命を考えたら三世代くらいにかけての争いになるんではないでしょうか。

それだけ長い期間繰り広げられたからこそドラマもたくさんあって、そこに魅力を感じましたね。

 

最後にこのヴァイキング とサクソン人の争いを調べる上で1番、役立った本を紹介しておきます。

「一冊でわかるイギリス史」 河出書房新社

書店にも並んでる定番(?)の一冊かと思いますが、イギリスの一連の歴史をざっくりと分かりやすく解説しています。

気になる方は是非、買って読んでみてください。

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用語集

ヴァイキング: 古アイルランド語でvik(入江に住むもの)と呼ばれる北ゲルマン系の民族

デーン人: 8世期末と11世紀にイングランドに侵略してきたヴァイキング

ノーサンブリア: 七王国の1つでイングランドの北東部一帯を治めていた国

マーシア: ノーサンブリアの南部、ウェセックスの北部に位置する国

イースト・アングリア: マーシアの東部に隣接する国

ウェセックス: イングランド最南西に位置する国

アングロ人: ノーサンブリア、マーシア、イースト・アングリアにいる民族

サクソン人: ウェセックスにいる人たちのこと

ノルマンディー公国: 現在のフランス北部ノルマンディー付近にあったノルマン人が治める国

ノルマン人: ノルマンディー公国にいる人たちのことで種族はデーン人と同じ北ゲルマン系で彼らもまたヴァイキングと呼ばれている(イギリス史においては区別される)

最後に

ここまで読んで頂きありがとうございました!

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では、また別の記事でお会いしましょう♪