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SNS社会への問題提起|アドレセンス ネタバレ感想|少年は”なぜ”犯行に至ったのか【Netflixドラマ】

: 2025/4/13

source: X(twitter)

Hi !!

Netflixドラマ大好きブロガーのぱーぷるです。

 

この記事では2025年3月に配信されたNetflixリミテッドシリーズ「アドレセンス (Adolescence)」を観た感想をネタバレありでやっていきます。

 

まだ観ていない方はネタバレにご注意を!

 

adolescenceとは日本語にすると思春期という意味。

各エピソードをワンテイクで撮影したこが特徴のこちら、事前のプロモーションがほぼ無かったにも関わらず、日本でNetflix視聴ランキングトップ10に入り込むヒットをしたシリーズ。

実際に観るとそのヒットは納得の素晴らしい出来栄え。

”なぜ、そこまで評価されてるのか”

思うところを語っていきたいと思います。

 

Netflixリミテッドシリーズとは?おすすめの作品紹介はこちら↓

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主な登場人物

ジェイミー・ミラー

Cast: Owen Cooper

容疑者となった少年。

彼を演じる方はこれがデビュー作になるようです。

3話目の迫真の演技などみるに、今後が期待できそうですね。

バスコム警部

Cast: Ashley Walters

今回の事件を担当する刑事。

全然関係ないんですけど、少ない登場人物の中で、彼とエディが2人とも信じられないほどムキムキなのが気になってしょうがなかったです(笑)

ミシャ・フランク

Cast: Faye Marsa

捜査に参加する巡査。

彼女を演じる方はゲースロやスターウォーズシリーズの「Andor」に出演した方。

アダム

Cast: Amari Bacchus

バスコムの息子。

ケイティ

被害者。

エディ

Cast: Stephen Graham

ジェイミーの父親。

彼を演じる方は数々の映画に出演するスティーヴン・グラハム。

脚本や制作にも関わっているようです。

マンダ

Cast: Christine Tremarco

ジェイミーの母親。

リサ

Cast: Amelie Pease

ジェイミーの姉。

ブリトニー・アリストン

Cast: Erin Doherty

ジェイミーの心理状況を分析した心理療法士。

演じるのはNetflix「ザ・クラウン」でアン王女を演じた方。

知らない人でしたけど、出演作を調べると、あのエピソードで起用された理由に納得がいきましたね(笑)

ストーリー振返り(あらすじ)

source: Netflix.com

残虐な殺され方をされた少女ケイティ。

バスコム警部はとある家族の家に令状と共に突入し、家族が困惑する中で13歳の少年ジェイミーを容疑者として確保する。

事件についてバスコムは質問を重ね、最後に事件現場の防犯カメラの映像を見せる。

同席していた父親のエディはそれを見て、息子のしたことに驚愕し、悲しみに暮れる。


事件に使われた凶器などについて情報を得るためバスコムはジェイミーの通っていた学校へ赴く。

なかなか有力な情報を得られずにいたところに、彼の息子のアダムからジェイミーに送られたインスタの絵文字だけのコメントが彼への悪口であることを聞かされ、ジェイミーがケイティらにいじめを受けていたことが明らかになる。

また、隠し事があると睨むジェイミーの友人ライアンをバスコムが改めて問い詰めると、彼が凶器となるナイフをジェイミーに与えたことを明かし、ジェイミーの犯行は決定的なものとなる。


ジェイミーの精神状態について分析するため、面会を重ねてきた心理療法士のブリトニーは最後の面会に挑む。

彼のいい部分に可能性を見出そうとした彼女だったが、彼の感情を乱した時の姿から犯行を行いうる状態だと判断をする。


事件からしばらくが経ったある日、エディは50歳の誕生日を迎える。

そんな日の朝、彼のバンに落書きがされていることに気が付く、

ジェイミーへの悪口が書かれた落書きを必死に落とそうとするが落ちず、用具を揃えるためにマンダと娘のリサを連れてホームセンターへ向かう。

その日の予定について前向きに話し合っていた3人だったが、ホームセンターでの出来事でエディが怒りを露わにしたことで帰りの車内は険悪ムードに。

そこにジェイミーからの電話がかかってくる。

エディへの誕生日祝いを伝えた後に、彼は自身の犯した罪を認めると口にする。

それを聞いて家族は涙をし、それでもなんとか気持ちを前向きに保とうと努力するのだった。

 

 

ネタバレ感想

”誰”ではなく”なぜ”がテーマの作品

Stephen Graham as Eddie Miller and Owen Cooper as Jamie Miller in ‘Adolescence’

source: Netflix.com

制作がイギリスでジャンルがサスペンスものと聞いて、始めはミステリー要素が強く、最後に犯人についてのどんでん返しがあるようなシリーズなんだろうと思ってました。

で、1話目のラストにかなり決定的な証拠が提示されて”おや?”と思います。

もしかして、そういう作品じゃないのではと疑いが生まれて2話目に突入。

そして逮捕から7ヶ月後を描いた3話目のところでその疑いは確信に変わりました。

見終えてから制作陣のインタビューとかをみても、このシリーズは13歳の少年が”なぜ犯行に及んだのか”をテーマにしていると語っていて、私が感じた印象は間違いではないようです。

ジェイミーの父親エディ役を演じて、脚本や制作にも参加していたスティーヴン・グレアムはインタビューで、このシリーズのテーマの1つにSNS社会への問題提起があるとして、SNSが普及した環境で育っている若者はそういったものが無かった時代に育った大人達と比べて、触れられる情報の量が格段に違っていて、それらが思春期に与える影響について考える必要があると語りました。

シリーズではジェイミーに送られていた絵文字だけのコメントが話題に上がっていて、それの意味が警部をはじめとした大人はアダムに教えられるまで悪口であることに気が付くことができませんでした。

そう言った大人の見えないところで苦しんでいたことが犯行に至った要因の1つとして描かれます。

私自身もギリギリ学生時代はSNSが普及する前(高校時代にiPhoneが出始めたくらいの頃)で、今のなんでもネットで調べれば情報が得られる環境で学生時代を過ごせる最近の若者を羨むことがあったりするんですけど、一方で存在するSNSの悪い一面について、このシリーズで改めて考えさせられました。

このシリーズはそれをワンテイクで描くことでリアルさを追求し、エディをはじめ事件によって影響を受けた周りの人々をハートフルに描いているのが印象的で、そのアイデアによって切なさと感動が増幅されている気がします。

 

また、このシリーズで取り上げられたものとして”マノスフィア”があります。

それはコミュニティーの1種で、”男らしさ、女性蔑視、反フェミニズム”などを掲げる左寄りな思想を持った人々のことを言います。

作中で”8割の女性は2割の男性に惹かれる”といったワードが出てきてましたが、それは彼らが唱える思想の1つです。

この思想がイギリスなどで社会問題になっているようで、特にジェイミーなど思春期の若者に与える影響は大きいです。

昔であればこのような子供に悪影響を与える思想は入ってきにくかったと思いますが、SNSやインターネットが普及した昨今ではそうではなくなってきています。

このシリーズはそのあたりに焦点を当てて描いていて、それが高い評価と共感を得ています。

この作品は本当にワンテイクだったの?

source: Netflix.com

このシリーズの最大の特徴はなんといっても各エピソードをワンテイクで撮影が行われているということ。

”本当はどっかで切ってるでしょ”とか、思って観始めた人も多いと思いますが、作中のカメラワークとか、制作陣のインタビューを聞く限り、ちゃんとワンテイクで撮影をやってそうです。

しかも、その一連の撮影を納得がいくテイクが撮れるまで何度も繰り返していて、その努力は恐ろしいものがあります。

ここから1話ごとに感じたことを、インタビューで語られた撮影秘話を交えつつ語ります。

 

まず、1話目は逮捕されてからケイティ殺害の決定的な証拠が提示されるまでが描かれて、その過程の事務処理とかを含めてリアルに描かれているのが印象的でした。

一方で警察署へ向かう移動のシーンとか、カットした方が緊迫感が得られそうな部分もちらほらあって、正直この時点では”大したことないな”って思っていました。

 

続いて2話目はジェイミーが通っていた学校が舞台となり、ケイティとジェイミーそれぞれの友人の心境やバスコムとアダムの親子愛といった部分が描かれました。

このエピソードは1話目と打って変わって、ダイナミックなカメラワークが展開された印象で、バスコムがライアンを追いかけるシーンの教室の窓を貫通するようなカメラワークとか、ラストの地上の撮影からドローンに乗せて空の撮影へシームレスに切り替えるところとか、これぞワンテイクの醍醐味と言わんばかりにアイデアが詰まっていて見応えがありました。


そして3話目はジェイミーとセラピストのブリトニーのラストセッション。

このエピソードは一言で表すなら”演者の技量のゴリ押し”(笑)

個人的にも一番、惹かれたエピソードです。

出てくるメインキャストはジェイミーとブリトニーの2人だけで約1時間の間、ほとんど2人にカメラが向いています。

ブリトニーに関しては終始、出演しっぱなし。

1つもミスが許されないワンテイクの撮影で、あんな長い時間の出演はただものではないですよ(笑)

観てるこっちがヒヤヒヤしてました。

2人が撮影について振り返るインタビューでは、この撮影に向けて入念な調整をしたのはもちろんのこと、一連の撮影を何日もかけて何度も何度も行ったと語っていました。

ブリトニー役の方が実際に言ったことを引用すると”撮影は1日、2回行われて…”。

最終的なテイク数は言わなかったですが、その一言で察するところはあります。

ちなみに、ジェイミー役の人は撮影初日からセリフを完璧に覚えていたそうです。(凄すぎる…)

あと、このエピソードで取り上げたいのが終盤にブリトニーがインスタをFacebookと言い間違えたシーン。

当然、脚本通りの言い間違えだとは思いますけど、その間合いとかが本当に間違えたような雰囲気があって”もしかしてアドリブ?”とか思って困惑しましたね。

シリーズを通しも印象深いシーンの1つです。


ラスト4話目はエディの誕生日とジェイミーが罪を認めた日。

このエピソードは全てが感動的でした。

印象的だったシーンはホームセンターへ向かう行きの車内と帰りの車内。

その対比が見事だったのはもちろんのこと、今までの車での移動シーンが無機質な感じだったのに急に、その部分に意味を持たせてきたのがシリーズを通しての伏線だったのかなとか思えてきて感心してました。(偶然かもしれませんが…)

あと、何より終盤のエディとマンダのジェイミーの子育てで何か出来ることが無かったのかと思い悩むシーンとラストにエディがジェイミーの部屋でテディベアに向かって”ごめん、パパがもっと頑張れれば…”と言い残すシーンはあまりに心が痛くなりました。

ちなみに、この4話目は少なくとも14回は撮影しているみたいです。

エディ役の方がインタビューで語っていました。

テイク数に関するインタビューの一部を私のYouTubeチャンネルにShorts動画で紹介してるので気になる方はチェックしてみてください↓

▶︎アドレセンス|ワンテイク撮影の苦労を語る|スティーヴン・グラハム- YouTube

 

最後に全然関係ないですがホームセンターへ向かう時にマンダが車内でかけた音楽について。

a-haの『Take on Me』という80年代の名曲の1つですが、この曲、きたるHBOシリーズ「ラスト・オブ・アス」シーズン2でもゲームに忠実に描くなら登場する予定で(トレーラーでその曲が使われていたシーンは確認済み)、短時間に2つの作品で登場することになりそうです。

なんたる偶然(笑)

で、おまけにストレンジャーシングスの最終シーンでも使われたりしたら凄いですよね。

80年代の名曲をいくつも採用してるけど、a-haの曲はまだ使われてないはずなので、全くあり得ない話ではないのが洋楽好きにとっては余計にワクワクしてしまいます。

最後に

ここまで読んで頂きありがとうございました!

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では、また別の記事でお会いしましょう♪